▼トヨタ式「改善」の進め方―最強の現場をつくり上げる! (PHPビジネス新書)
を読んだ。
トヨタでは、なにか問題があればラインの作業者自身の判断でラインを止める。そして、表面的な現象の裏に隠れている真の原因である「真因」を徹底的に調べる。
- 問題が発生する
- 応急処置はせず、機械やラインを止めてしまう
- 止めることで問題を「見える化」する
- みんなで「なぜ」を五回繰り返すことで真因までさかのぼる
- 真因を改善し、二度と同じ問題が起きないようにする
ジャスト・イン・タイムの三つの柱
- 後工程引き取り
- 必要数でタクトを決める(タクトタイムは、一つを何分何秒で作れるかの時間)
- 工程の流れ化(カンバンの利用)
「お金がないから、知恵を絞って」
トヨタは、昭和25年に倒産の危機に貧し、その頃はないないずくしだった。
リストラし、その後、少ない人員で増産したことが、トヨタの実力がついた大きな理由
- 改良はお金を使ってよくすること
- 改善は知恵を使ってよくすること
「ムダを見つけるのは一生の仕事」
「問題があるから元に戻そう」ではなく、「問題があるから、また改善しよう」
三人寄れば文殊の知恵作戦
- 最初に問題に「気付く人」
- 気付きにたいして「こうしたらどうだろう」と「アイデアを提案する人」
- 最後に「アイデアを形にする人」
効果の高い保証制度 = 褒めること
「いらないものを処分することが整理であり、
ほしいものがいつでも取り出せることを整頓という。
ただきちんと並べるだけなのは整列であって、
現場の管理は整理整頓でなければならない」
整理整頓を進める名札作戦
- 過去一ヶ月以上使用しなかったもの…「不要」として赤い札
- 過去一ヶ月の間に使用したもの…必要として札は貼らない
- 今後一ヶ月以上使用する計画がないもの…「不要」として赤い札
- 今後一ヶ月以内に使用するもの…必要として札は貼らない
ミスを防ぐには、人間の注意力だけに依存するのはやめる。「なぜ」を五回繰り返して真因を突き止め、改善する。「ミスは改善のチャンス」だととらえ、改善に改善を重ねて、ミスをしようと思ってもできないほどにもっていくことだ。
企業の力は「その機械設備がどれだけ稼ぐ力を維持しているか」に表れる。
古い機械設備を大事に使っているということは、それだけその機械設備にたくさん人間の知恵がついているということである。日頃の清掃が行き届いていということだ。
「故障の際に、単に部品を取り替えたり、応急処置をしただけだと、真因を潰していないので、すぐまた故障する。これは修繕であり修理ではない。修理とは真の原因を取り除いて、二度と同じ故障が起こらないようにすることである」
分別できないゴミは、「?ボックス」を用意する。
品質管理は「各工程(各作業)で品質を作り込み、良品のみを次工程へ送り出す」ことが基本でなければならない。
「不良を見つける」のではなく、「不良を作らない」こと。
そのためには、
- 標準作業を守る
- 不良や機械のトラブルなど異常があったらすぐにラインを止め
- 問題把握を行い。その場で真因を追求し
- 改善策を講ずる
- 「不良品は後工程に流さない」を厳守し
- 原価率を維持し、市場に絶対悪いモノを流さない
品質を工程で作りこむうえで絶対に守らなければならないのは、不良、不具合が出たら、すぐにラインを止めることだ。
リードタイムというのは、受注、納品、設置して、ボタンを押して無事に動き出すところまでの時間。
カンバンが有効に働くのは
- 生産の平準化
- 工程のレイアウト
- 標準作業の設定
売値はお客様が決めるものであり、原価が上がったとしても、簡単に売値に転嫁できない。売値が変わらず、原価が上がっても利益を上げるには、原価をいかに下げるかを考えるだけだ。
「昨日のことは忘れろ。
明日のことも考えるな。
今日が悪いんだと考えろ」
大野耐一氏は、改善にあたってはよく「なんでも半分」と言っていた。
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